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書家が教える、大人の女性ならではの心遣い

書家が教える、大人の女性ならではの心遣い

こんにちは、書家Rimiです。

書やアートディレクションの仕事をしていることもあり、様々な紙や印刷が好きで日常の細々したところでも楽しんでいます。特に日常使いで使うのは木版手刷のポチ袋と、季節の柄を使った便箋と封筒です。

オフィスの引出しにも、こんなふうにいくつか入れてあります。
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重なっている一番上から、木版手刷りのポチ袋(燕と柳)、封筒(萩)、シール(河井寛次郎)、便箋(萩)、とても見づらいですが左端にもうひとつ白い封筒(雲母刷りの波模様)。
でも季節外れがいますね。わかりますでしょうか?

季節の楽しみを添える心遣い

季節外れは、燕と柳のポチ袋でした。
柳は春、燕は春でも夏でも使えると考えられますが、柳と一緒だと春のうちかな。
次の春まで使わずに置いておきます。

波模様も夏っぽく季節外れかなと感じやすいですが、合わせ方で季節が決まります。
でもそのままお渡しするなら夏にしたほうが無難でしょうか。
この封筒は雲母(きら)刷りといって、角度によって図柄がくっきり見えたり、かすかに見えたりするものなので、冬の季節でもよいかもしれません。

着物と一緒で実際の自然よりちょっと先のものを使うのがポイント。
今なら、萩の便箋と封筒がぴったりですね。

9月は萩のほかに桔梗、撫子など。
10月が近づいたら菊、もう少し経ったら紅葉ですね。
9月から11月までは花から葉、実に移る感じがいかにも秋で楽しいです。
12月は天体模様が寒い季節の清々しさを表現できます。星や月、雪輪。これらが雲母刷りだとより映えます。

それぞれの柄は一気に覚えるのも大変です。少しずつ買うことで覚えていきますし、なによりお店の方にたずねるのが一番です。鳩居堂さんなどは丁寧に教えてくださいますし、柄ごとの季節一覧表も置いてあるところもあります。

ちょっとした遊び心も

たとえば「燕と柳」のポチ袋。
春に銀座で女子会をして会費を立て替えてもらっていた、ということがあった場合にピッタリです。銀座といえば、柳ですもんね。

また以前、大きく鯛が描かれたポチ袋を買ったことがあります。
それは、おいしいお刺身屋さんに連れて行ってもらった時の会費や、友人へのお祝を何人かで買って送ったときの費用を包んだりしました。同じ柄でも、出番がそれぞれです。

でも急にはいろいろ選ぶほど種類を持てませんよね。ポチ袋は用があったときに買うのでなく、見かけたときに気に入ったものを少しずつ集めるのが一番だと思います。そのうち数が増えてきたら、お渡しする理由と掛け合わせて選ぶのが楽しくなります。

ポチ袋を手帳や財布に入れておく

ふとした時に必要になるのがポチ袋。
ぜひ手帳や財布に数枚入れておきましょう。

入れておく際には、購入したときのPP袋のままがオススメです。
汚れがついてしまったポチ袋はお渡しできません。
汚れや折れの防止、そして手漉き和紙の場合は毛羽たち防止になります。
3枚入りのポチ袋でしたら、同柄の2枚は抜いてほかの柄のポチ袋を1枚ずつ追加して入れておくと同じ方に同じ柄のポチ袋をお渡ししてしまうことを避けられます。

ちいさなことですが季節を愉しみながら、大人の女性ならではの心遣いを大切にしてみましょう。
感謝の気持ちをより一層伝えられるかもしれません。



ども
etekichi
etekichi's tail
etekichi's banana

いんふぉま~しゃる