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Qriousが神山町に惹かれたキッカケ

Qriousが神山町に惹かれるいくつかのこと

今回は、前回のお話の続きです。
NPO法人 グリーンバレーの大南理事長と都内のホテルで会談してきました。

「どこに居ても働ける環境」を提供することがQriousの目的の一つで、それを実現するために自らが地方へ短期移住するという決意表明を前回させていただいてから約1週間。あれよあれよと話が進んで「それ、叶うかもよ?」っていうのがここまでのザックリとしたあらすじ。

週末に山梨で講演をして、東京に泊まったついでにお時間を創っていただき、Qriousが考えるワークスタイルとそれを実現するために何が必要か、移住先でQriousとして何ができるか、などについて率直にお話してきました。

■ Qriousのワークスタイル

元々Qriousは1ヶ所に集まって制作をするスタンスではなく、メンバーそれぞれが働きやすい環境で作業する、所謂、リモートの形態をとっています。多くは自宅ですが、中にはカフェで仕事したり、コワーキングスペースを利用したりと電源とPC、通信環境があれば、どこででも働けることを目指しています。これを、もっと快適に行うためにソフト面ではクラウド化やコミュニケーションのとり方などをいろいろと試しながら導入や変更を繰り返しています。
一方ハード面では、リゾートや田舎など、日常から非日常にon/offできるような環境を創って、強制的にリフレッシュするような施設の設置を検討しています。その中の一つがサテライトオフィスで、都会の喧騒を離れて、通信環境だけは確保して、旅行感覚で、自然の中で、半分仕事して半分静養できるようなものを考えています。

その施設にはQriousメンバーだけでなく、メンバー以外のクリエイターやエンジニアも交流できる場として、願わくば情報発信や地域の活性化、人財育成などもしていける施設を目指したいと思っています。

徳島県の神山町は通信環境も整備され、ITや近い業種のみなさんが移住した実績もあり、さらに民間や町民の人たちが活動する中で生まれたサービスもあるということで、当初、考えていたものから進化しているとの話を伺いました。自治体として、しっかりとした受け入れ体制ができてる印象でした。

大南理事長は面白いことを言っていました。なるほどなぁ…町の人が信頼してついて行こうって思ったり、全国各地から講演の依頼があったり、世界から視察で神山を訪れる理由が少しわかったような気がします。

■ 神山は頭を下げない

勿論、笑いながら冗談ぽく言っておられましたが、どういう事かと言うと「お願いです、是非、神山に来て下さい。補助金や助成金、箱モノはこんだけ用意しました。来てくれるんだったら何でもしますよ」的な誘致活動は行わないということです。そんな誘致活動を行ったとしても、一時的に話題になるだけで、仮にそれで来てもらった人たちが居たとしても、その人たちが町にとってどれだけのメリットをもたらしてくれるかを考えると、そういう活動が有効とは思えないからです。
神山は60%以上が年金受給者の限界集落。これから先もこのままだったら高齢者が増える一方で、財政破綻も考えられる状況だといいます。確かに、高齢者だけでは税収も知れているし、若い世帯が出て行ってしまえば子どもの姿も消え、後の神山を支える世代が居なくなってしまうのですから切実です。
ですから、従来のような活動をしていたら、これまでいろんな自治体がやってきた事業と全く同じ道を辿るだけで、数年後には結果が出てしまうというのも頷けます。

徳島県は、山に自然と自生している木々の葉が、料亭などで重宝するところに目を付けた『葉っぱビジネス』が、数年前に話題になりました。(詳細はコチラ いろどり 参照) 今回もそうですが、徳島には、こういった斬新なアイデアが生まれる土壌があるんだなぁと思いました。当時は、高齢者の雇用創出や収入の確保、タブレットなどITを駆使したシステムの導入、高齢者への教育などなど、アイデアとしては画期的で、全国でそれを真似たビジネスがたくさんできたそうですが、結局うまくいかずに撤退しているようです。問題は、その後、継続しないと行政の事業としては成功とは言えないところにあります。

では、大南理事長は、どうしようとしているのでしょうか?
既存の誘致活動や町おこしは、「金」「箱モノ」、葉っぱビジネスは「モノ」が主体です。

神山は「人」

つまり、

人によって町が変わり、人によってアイデアが生まれ、人によってビジネスが育つ

ただしそれは優遇を求めたり、見返りを期待する個人や企業の誘致ではなく、自ら「移住させてください」って言ってくれる人を多く受け入れることで、達成されると考えているのです。
移住するにはそれなりの覚悟が必要で、その覚悟や、その後、どうしていくのかを考えるのは「人」です。ヤル気がある若者を多く受け入れれば、自然と創意工夫して、また地元の人たちとも協力して、新しい町づくりが可能になるだろうという信念の元、日々、活動されているそうです。

だから、神山は「来てください」と頭は下げない。と言うことなのです。

「人」についての考え方はQriousの中にも、というよりQriousの根本なので、考え方は全く同じです。

また、こうも言ってました。

お願いすることで、お互いに貸し借りの関係ができよるから、新しい神山を一緒に創ってくれる人とは、お互いフラットの関係でいたいんよなぁ。重荷になるけん、つまらんじゃろ。

最後の言葉が強く印象に残りました。

1時間と言う短い時間でしたが、少なくともはじめに聞いておきたいことは伺うことができました。

最後に、大南理事長からお願いとして、

無理じゃったら無理せんで東京に帰ってもらってええ~し、いそがんでもえぇ。何年か後に成功してくれたらそれでいいし、無理して神山に残って業績が悪化しないようにして欲しい。いつでも帰っていいって言う気持ちで、お互い貸し借りなしのパートナーとして、イノベーションしていきましょう。

そして、握手をして別れました。

新たな扉をノックしました。そして、手を差し伸べていただきました。
思い返すと、ちょっと浮ついてた感があったかなぁと反省もしつつ、電車に揺られながら頭をフル回転させ、

そして、

神山に短期間、お世話になることを決めました!

次回は、短期移住のための準備についてお話しします。次回をお楽しみに。



ども
etekichi
etekichi's tail
etekichi's banana

いんふぉま~しゃる